ルーターの配線を前にして、「wanとlan、どっちに差せばいいのか」と迷ったことはありませんか。見た目が似ているポートが並ぶ中で、正しい接続先を選ぶのは意外と難しく感じるものです。
ルーターのWANポートは外部回線との接続に使われ、LANポートは家庭内の機器をつなぐために使われますが、どっちがどっちなのか判断しづらい場面もあります。さらに、LANポートが足りないときの対処法や、ギガビット対応の確認ポイントなど、ルーターを使いこなすには知っておきたいことがたくさんあります。
この記事では、WANとLANの違いや役割、どっちに何をつなぐべきかを整理しながら、家庭内ネットワークを快適に構築するための基本を紹介します。
【この記事のポイント】
- WANとLANの役割と接続先の違いがわかる
- ルーターのポート構成と見分け方が理解できる
- LANポート不足時のハブ活用方法が学べる
- ギガビット対応の確認ポイントが整理できる
ルーターのWANとLANどっちに接続する?基本の違いを解説
WANはインターネット接続用ポート
WANポートは、家庭やオフィスのネットワークをインターネットへつなぐための接続口です。ルーターに搭載されているこのポートは、外部の通信回線からの信号を受け取り、内部のネットワークへと橋渡しする役割を担っています。光回線を利用している場合は、ONU(光回線終端装置)と、ADSLやCATVなどの場合はモデムと接続することで、インターネットとの通信が可能になります。
WANは「Wide Area Network」の略で、広域ネットワークを意味します。インターネットはこのWANの一種であり、家庭内のLAN(Local Area Network)とは異なり、世界中のネットワークとつながるための仕組みです。ルーターのWANポートにLANケーブルを差し込むことで、外部回線とルーターが接続され、家庭内の機器がインターネットを利用できるようになります。
一般的な家庭用ルーターには、WANポートは1つだけ搭載されていることが多く、他のLANポートと区別しやすいように色分けされている場合があります。例えば、WANポートが青色、LANポートが黄色など、視覚的に判別できるようになっています。また、ポートの近くには「WAN」や「INTERNET」といった表記があるため、接続時に迷わないよう工夫されています。
WANポートに正しく接続されていない場合、ルーターはインターネットにアクセスできず、家庭内の機器も外部との通信ができなくなります。そのため、初期設定時には、ONUやモデムとルーターのWANポートを確実につなぐことが重要です。接続後は、ルーターの設定画面にアクセスして、プロバイダ情報の入力や接続方式の選択などを行うことで、インターネット環境が整います。
LANは家庭内ネットワーク用ポート

LANポートは、家庭やオフィスの中で機器同士をつなぎ、情報をやり取りするための接続口です。ルーターに搭載されているこのポートにLANケーブルを差し込むことで、パソコンやプリンター、ゲーム機、NASなどの機器が同じネットワーク内でつながり、互いに通信できる環境が整います。
LANは「Local Area Network」の略で、限られた範囲内で構築されるネットワークを指します。LANポートはその中心的な役割を担い、ルーターを介して複数の機器が同じネットワークに属することで、ファイルの共有やプリンターの共用、メディアのストリーミングなどが可能になります。
家庭用ルーターには、通常4〜8個程度のLANポートが搭載されており、必要に応じて複数の機器を有線で接続できます。LANポートは「LAN1」「LAN2」などと番号が振られていることが多く、ポートの近くに「LAN」と明記されているため、接続時に迷うことは少ないです。
このLANポートには、ハブの機能も備わっているため、接続された機器同士が直接通信できるようになります。たとえば、パソコンからNASに保存されたデータを読み込んだり、プリンターを複数のパソコンで共有したりすることができます。これにより、家庭内での作業効率が向上し、ネットワークの活用範囲が広がります。
また、LANポートを使った有線接続は、Wi-Fiと比べて通信が安定しやすく、速度も安定しているため、動画の視聴やオンラインゲームなど、通信品質が求められる場面で重宝されます。LANケーブルの規格やルーターの性能によって通信速度は異なりますが、現在主流の「1000BASE-T」規格に対応していれば、最大1Gbpsの高速通信が可能です。
LANポートが足りない場合は、スイッチングハブを使ってポートを増設する方法もあります。これにより、さらに多くの機器を接続できるようになり、家庭内ネットワークの拡張が容易になります。
ルーター背面のポート表示の見方
ルーターの背面には、複数のポートが並んでおり、それぞれに役割があります。主に「WAN」と「LAN」と表記されたポートがあり、どこに何を接続するかを判断するための目印となっています。
WANポートは、インターネット回線とルーターをつなぐための入り口です。「WAN」や「INTERNET」と表記されていることが多く、色分けされている場合は青色で示されることがあります。このポートには、ONUやモデムからのケーブルを接続します。
一方、LANポートは家庭内の機器をルーターに接続するためのポートです。「LAN1」「LAN2」など番号付きで並んでおり、黄色や緑色で色分けされていることがあります。パソコンやプリンターなどを有線で接続する際に使用されます。
それぞれのポートの横には、通信状態を示すLEDランプが付いていることが多く、点灯していれば接続が確立されていることを示します。点滅している場合はデータの送受信中、消灯している場合は未接続の状態です。
ルーターの機種によっては、ポートの数や配置、色の使い方が異なることがありますが、基本的な役割は共通しています。初期設定やトラブル対応の際には、背面の表示を確認することで、正しい接続ができているかを判断する手がかりになります。
ONUやモデムとの接続手順

インターネット回線が開通している状態では、ONUやモデムとルーターを正しく接続することで、家庭内の機器がインターネットを利用できるようになります。接続にはLANケーブルを使用し、それぞれの機器にある指定されたポートを確認することが重要です。
ONU(光回線終端装置)には「LAN」「UNI」「Internet」などと表記されたポートがあり、機種によって名称が異なります。これらのポートのいずれかが、ルーターとの接続に使用されます。ONUのポートは通常1つで、LANケーブルを差し込む四角い穴が側面または背面にあります。
ルーター側には「WAN」または「Internet」と表記されたポートがあり、ONUからのケーブルはこのポートに接続します。WANポートは色分けされていることが多く、青や水色などで目立つように設計されています。複数のポートが並んでいる場合でも、WANポートは1つだけです。
接続にはカテゴリ5e以上のLANケーブルを使用することが推奨されます。これにより、光回線の通信速度を十分に活かすことができます。カテゴリが低いケーブルでは、通信速度が制限される可能性があります。
ONUとルーターを接続した後は、ルーターの電源を入れ、設定画面にアクセスします。設定画面では、プロバイダから提供された接続IDやパスワードを入力する必要があります。これにより、ルーターがインターネットに接続できるようになります。
設定が完了すると、ルーターが外部回線と通信を開始し、家庭内の機器がWi-Fiや有線LANを通じてインターネットを利用できるようになります。接続がうまくいかない場合は、ケーブルの差し込みやポートの選択を再確認し、機器の再起動を試すことが有効です。
パソコンやプリンターとの接続方法
家庭内でパソコンやプリンターをルーターに接続する際は、LANポートを使った有線接続が基本です。LANケーブルを使ってルーターのLANポートと機器のLAN端子をつなぐことで、安定した通信が確保され、複数の機器が同じネットワーク内で連携できるようになります。
パソコンの場合、LANケーブルを接続するだけでネットワークに参加できることが多く、特別な設定は不要です。ルーターがDHCP機能を持っていれば、IPアドレスが自動的に割り当てられ、すぐにインターネットや家庭内の共有機能が使えるようになります。通信速度も安定しており、動画視聴やオンライン会議などの用途でも快適に利用できます。
プリンターを接続する場合は、ネットワークプリンターであることが前提です。LANポート付きのプリンターであれば、ルーターとLANケーブルで接続した後、パソコンにプリンタードライバーをインストールすることで、印刷やスキャンなどの操作が可能になります。プリンターがネットワークに参加すると、複数のパソコンから同時に利用できるようになり、家庭内での作業効率が向上します。
無線LAN機能を持つプリンターでも、初期設定時や接続が不安定な場合には、有線接続が役立ちます。有線で接続することで、IPアドレスの割り当てやネットワーク認識がスムーズに進み、設定後に無線接続へ切り替えることも可能です。
また、プリンターのIPアドレスを固定しておくと、ネットワーク内での認識が安定し、接続トラブルを防ぐことができます。IPアドレスはプリンター本体の設定画面やネットワークステータスシートで確認でき、必要に応じて手動で設定することもできます。
Wi-Fi接続は便利ですが、電波干渉や接続不良が起こることもあるため、安定性を重視する場面ではLANケーブルによる接続が有効です。特に初期設定やトラブル対応時には、有線接続が確実な手段となります。
ポートの数と役割の違い

ルーターには、インターネットと家庭内の機器をつなぐためのポートが複数搭載されています。それぞれのポートには明確な役割があり、正しく使い分けることで安定した通信環境が整います。
WANポートは、外部のインターネット回線とルーターを接続するための専用ポートです。通常1つだけ搭載されており、「WAN」や「INTERNET」と表記されています。ONUやモデムからのLANケーブルは、このWANポートに接続することで、家庭内のネットワークがインターネットにアクセスできるようになります。
一方、LANポートは家庭内の機器をルーターに接続するためのポートです。パソコン、プリンター、ゲーム機などを有線でつなぐ際に使用され、複数のポートが並んでいるのが一般的です。家庭用ルーターでは、4つから8つ程度のLANポートが搭載されていることが多く、それぞれ「LAN1」「LAN2」などの番号が振られています。
LANポートにはハブ機能が備わっており、接続された機器同士が同じネットワーク内で通信できるようになります。これにより、ファイルの共有やプリンターの共用などが可能になります。ポートの数が足りない場合は、スイッチングハブを使って増設することもできます。
ポートの役割を誤って使うと、通信ができなくなることがあります。たとえば、家庭内の機器をWANポートに接続してしまうと、インターネットに接続できないだけでなく、ルーターの設定画面にもアクセスできなくなることがあります。接続時には、ポートの表記や色分けを確認し、正しい位置にケーブルを差し込むことが大切です。
また、ポートの通信速度にも違いがあります。LANポートには「100BASE-TX」「1000BASE-T」「2.5GBASE-T」などの規格があり、最大通信速度が異なります。現在主流の「1000BASE-T」に対応していれば、最大1Gbpsの通信が可能です。使用するLANケーブルの規格も通信速度に影響するため、ポートとケーブルの両方を確認することが重要です。
接続ミスによる通信トラブル例
ルーターのポートに誤って接続してしまうと、インターネットに接続できない、設定画面にアクセスできないといったトラブルが発生します。こうした問題は、ポートの役割を正しく理解していないことが原因で起こることが多く、初期設定の段階でつまずいてしまうケースも少なくありません。
よくある例として、家庭内のパソコンやプリンターなどをWANポートに接続してしまうケースがあります。WANポートは外部の回線とルーターをつなぐための専用ポートであり、家庭内機器を接続しても通信は成立しません。この状態では、ルーターが外部回線とつながらず、インターネットにアクセスできないだけでなく、ルーターの設定画面にも入れないことがあります。
逆に、ONUやモデムをLANポートに接続してしまうと、ルーターがインターネット回線を認識できず、家庭内の機器が外部と通信できなくなります。LANポートは家庭内の機器同士をつなぐためのものであり、外部回線との接続には対応していません。このような接続ミスは、見た目が似ているポートにケーブルを差し込んでしまうことで起こることがあります。
また、LANケーブルがしっかり差し込まれていない、あるいはケーブル自体が断線している場合も、通信が不安定になったり、まったくつながらなかったりする原因になります。ポートの数が多いルーターでは、どこに差すべきか迷うこともあるため、ポートの表記や色分けを確認することが大切です。
接続ミスによるトラブルは、機器の故障と誤解されることもありますが、正しいポートに接続し直すだけで解消されることがほとんどです。初期設定が進まない場合や通信が不安定なときは、まずポートの接続状況を見直すことで、スムーズな解決につながります。
ルーターのWANとLANどっちが重要?使い分けと注意点まとめ
WANとLANの役割の優先順位

家庭やオフィスでネットワークを構築する際、まず最初に必要になるのがWANポートの接続です。WANは「Wide Area Network」の略で、インターネットなどの広域ネットワークとルーターをつなぐ役割を持っています。ルーターのWANポートにONUやモデムからのケーブルを接続することで、外部の通信回線とつながり、インターネットへの入り口が開かれます。
このWAN接続が確立されていない状態では、ルーターに接続されたLAN機器が外部と通信することはできません。LANは「Local Area Network」の略で、家庭内やオフィス内の機器同士をつなぐネットワークです。LANポートにパソコンやプリンターなどを接続することで、内部でのデータ共有や印刷などが可能になりますが、インターネットにアクセスするにはWANの接続が前提となります。
ルーターはこのWANとLANの橋渡しをする役割を担っており、WAN側から受け取った通信をLAN側に分配し、LAN内の機器がインターネットを利用できるようにします。逆に、LAN側からの通信もルーターを通じてWANへと送られ、外部のサーバーやサービスとやり取りが行われます。
このように、ネットワークの構成においては、まずWANポートを通じて外部との接続を確立し、その後LANポートを使って家庭内の機器をつなぐという順序が基本となります。WANが機能していなければ、LAN内の機器はインターネットにアクセスできず、外部との通信が遮断された状態になります。したがって、WANの接続はネットワーク全体の起点であり、最優先で確認すべきポイントです。
無線LAN(Wi-Fi)との関係性
Wi-Fiは、LANの一部として機能する無線通信の手段です。ルーターがWANポートを通じてインターネットに接続した後、その通信を家庭内の機器に分配する役割を担うのがLANです。LANには、有線で接続するLANポートと、電波を使って接続するWi-Fiの両方が含まれます。
Wi-Fiは、LANケーブルを使わずに機器をネットワークに接続できるため、スマートフォンやタブレット、ノートパソコンなどのモバイル機器にとって欠かせない存在です。ルーターの内部では、有線LANと無線LANが同じネットワーク内に属しており、どちらの接続方法でも機器同士が通信できるようになっています。
たとえば、Wi-Fiで接続されたスマートフォンと、LANポートに接続されたパソコンは、同じLAN内にいるため、ファイルの共有やプリンターの利用などが可能です。これは、Wi-Fiが単なるインターネット接続手段ではなく、家庭内ネットワークの一部として機能していることを意味します。
ルーターによっては、SSID(ネットワーク名)を複数設定できる機能があり、2.4GHz帯と5GHz帯のWi-Fiを使い分けることもできます。これにより、通信速度や安定性を用途に応じて調整することができます。Wi-Fiの電波は壁や家具などの障害物に影響を受けるため、設置場所や周囲の環境によって通信品質が変わることがあります。
また、Wi-Fiはセキュリティ設定が重要です。暗号化方式やパスワードの設定によって、外部からの不正アクセスを防ぐことができます。LANポートによる有線接続と比べて、Wi-Fiは利便性が高い一方で、電波を使う分だけセキュリティ面での配慮が求められます。
このように、Wi-FiはLANの一部として、家庭内のネットワークを構成する重要な要素です。WANポートから受け取ったインターネット通信を、LANポートとWi-Fiの両方を通じて分配することで、さまざまな機器が快適に利用できる環境が整います。
有線接続と無線接続の違い

ネットワーク機器をルーターに接続する方法には、有線接続と無線接続の2種類があります。それぞれに特徴があり、使い方によって快適さや安定性が大きく変わります。
有線接続は、LANケーブルを使ってルーターのLANポートと機器を直接つなぐ方法です。通信がケーブルを通じて行われるため、電波の影響を受けず、安定した速度と高いセキュリティが保たれます。オンラインゲームや高画質動画の視聴、ビデオ会議など、通信の安定性が求められる場面では特に有効です。また、外部からの不正アクセスを受けにくいため、セキュリティ面でも安心感があります。
一方、無線接続はWi-Fiを利用して、電波でルーターと機器をつなぐ方法です。LANケーブルが不要なため、部屋のレイアウトに左右されず、スマートフォンやタブレットなどの持ち運びが多い機器に適しています。複数の機器を同時に接続できる柔軟性もあり、家庭内での利用に広く普及しています。
ただし、無線接続は電波干渉や障害物の影響を受けやすく、通信速度が不安定になることがあります。壁や家具、家電製品などが電波を遮ることで、通信が途切れたり遅くなったりすることもあります。また、セキュリティ対策が不十分な場合、外部からのアクセスリスクが高まるため、暗号化設定やパスワード管理が重要になります。
どちらの接続方法にもメリットとデメリットがあり、利用する環境や目的に応じて使い分けることが理想的です。安定性を重視するなら有線接続、利便性や自由度を求めるなら無線接続を選ぶことで、快適なネットワーク環境が整います。
ネットワークハブの活用方法
家庭内で接続する機器が増えてくると、ルーターのLANポートだけでは足りなくなることがあります。そんなときに役立つのがネットワークハブです。ハブは、ルーターのLANポートに接続することで、さらに複数の機器を有線でネットワークに参加させることができる装置です。
ハブには「スイッチングハブ」と呼ばれるタイプが一般的で、接続された機器同士の通信を効率的に制御する機能を持っています。ルーターのLANポートとハブをLANケーブルでつなぎ、ハブの空いているポートにパソコンやプリンター、NASなどを接続することで、家庭内ネットワークを簡単に拡張できます。
ハブはLAN専用の機器であり、WANポートとの接続には使用できません。WANはインターネット回線との接続に使われるため、ハブをそこに接続しても通信は成立しません。ハブはあくまで家庭内の機器同士をつなぐための中継役です。
選ぶ際には、ポート数や通信速度の対応規格を確認することが大切です。現在主流の「1000BASE-T」対応のハブであれば、最大1Gbpsの高速通信が可能です。ポート数は5〜8個程度のモデルが多く、将来的に機器が増えることを考慮して余裕のあるものを選ぶと安心です。
また、設置場所や使用環境に応じて、ファンレス設計や静音性、省電力性などもチェックポイントになります。机の上に置く場合は、配線の取り回しやLEDランプの位置なども使い勝手に影響します。
ハブを活用することで、ルーターのLANポート不足を補い、家庭内のネットワーク環境を柔軟に構築することができます。特に在宅勤務や複数人でのネット利用が増えている家庭では、安定した有線接続を確保する手段として有効です。
ギガビット対応の確認ポイント

家庭内で快適なインターネット環境を整えるためには、ルーターやLANケーブルがギガビット通信に対応しているかどうかの確認が欠かせません。ギガビットとは、最大1Gbpsの通信速度を指し、大容量のデータ転送や高画質動画のストリーミング、オンラインゲームなどに適しています。
まず確認すべきは、ルーターのLANポートとWANポートの仕様です。LANポートが「1000BASE-T」に対応していれば、最大1Gbpsの通信が可能です。WANポートも同様に「1000BASE-T」対応である必要があります。ルーターの製品ページや本体のスペック表示に「Gigabit LAN」「Gigabit WAN」などの記載があれば、ギガビット対応と判断できます。
次に、LANケーブルの規格も重要です。ケーブルには「CAT-5」「CAT-5e」「CAT-6」などのカテゴリがあり、ギガビット通信には最低でも「CAT-5e」以上が必要です。ケーブルの外側に印字されている文字を確認することで、対応規格を見分けることができます。古いケーブルには印字がない場合もあるため、その場合は新しい規格のケーブルに交換するのが確実です。
パソコンや接続機器側もギガビット対応である必要があります。Windowsの場合は、デバイスマネージャーの「ネットワークアダプタ」欄で確認できます。例えば「Realtek PCIe GBE Family Controller」といった名称が表示されていれば、1Gbps対応の有線LAN機能を備えています。
また、ルーターの管理画面や専用アプリを使えば、現在の接続速度やポートの状態を確認することもできます。WANポートやLANポートがどの速度で通信しているかが表示されるため、実際にギガビット通信が行われているかどうかを把握できます。
ギガビット対応の機器とケーブルを正しく組み合わせることで、家庭内のネットワーク環境が大幅に向上します。特に複数の機器を同時に使う場合や、高速通信が求められる用途では、ギガビット対応の確認が重要なポイントになります。
家庭内でのLAN構築の基本
家庭内LANは、ルーターを中心に機器同士をつなぐことで構築されます。ルーターのLANポートにパソコンやNAS、スマートテレビなどを有線で接続するほか、Wi-Fiを使ってスマートフォンやタブレットなどの無線機器も同じネットワークに参加させることができます。
このネットワーク内では、すべての機器が同じIPアドレス帯に属しており、互いに通信できる状態になります。たとえば、192.168.1.1がルーターのアドレスであれば、他の機器には192.168.1.2〜192.168.1.254の範囲でIPアドレスが割り当てられます。これにより、パソコンからNASに保存されたファイルを読み込んだり、スマートテレビでパソコン内の動画を再生したりすることが可能になります。
IPアドレスの割り当ては、通常ルーターのDHCP機能によって自動的に行われます。DHCPが有効になっていると、ネットワークに接続された機器は自動的にIPアドレスを取得し、すぐに通信を開始できます。特定の機器に対して安定した接続が必要な場合は、固定IPアドレスを設定することもできます。
家庭内LANの構築では、接続する機器の種類や数に応じて、有線と無線の使い分けが重要です。有線接続は通信が安定しており、動画のストリーミングや大容量ファイルの転送に適しています。一方、無線接続は配線の手間がなく、スマートフォンやスマート家電などの移動が多い機器に向いています。
また、ネットワークの拡張が必要な場合は、スイッチングハブを使ってLANポートを増設することができます。これにより、複数の機器を同時に接続しても通信が滞ることなく、家庭内のネットワーク環境を柔軟に整えることができます。
家庭内LANを構築することで、機器同士の連携がスムーズになり、データの共有やストリーミング、スマートホーム機器の操作など、日常の利便性が大きく向上します。
初心者が陥りやすい設定ミス

ルーターの初期設定や接続作業に慣れていない場合、WANポートとLANポートの接続先を間違えることがあります。WANポートはインターネット回線とルーターをつなぐための入り口であり、ONUやモデムからのケーブルを接続する必要があります。一方、LANポートは家庭内の機器をルーターに接続するための出口で、パソコンやプリンターなどをつなぐ役割を持っています。
この接続先を誤ると、インターネットに接続できないだけでなく、ルーターの設定画面にもアクセスできなくなることがあります。たとえば、パソコンをWANポートに接続してしまうと、ルーターが外部回線と認識せず、通信が成立しません。逆に、ONUをLANポートに接続してしまうと、ルーターがインターネット回線を受け取れず、家庭内の機器が外部と通信できなくなります。
また、LANポートに接続した機器が認識されない場合、物理的なトラブルも考えられます。LANケーブルがしっかり差し込まれていない、ケーブルが断線している、ポート自体が故障しているなどの原因が挙げられます。こうした場合は、別のポートに接続してみたり、他のケーブルで試してみることで、問題の切り分けができます。
設定ミスとして多いのが、IPアドレスの手動設定による通信不良です。DHCP機能が無効になっていると、機器が自動でIPアドレスを取得できず、ネットワークに参加できなくなります。ルーターの設定画面にアクセスし、DHCPが有効になっているかを確認することが重要です。
さらに、ルーターのファームウェアが古いままだと、接続の安定性やセキュリティに影響することがあります。定期的に更新することで、トラブルの予防につながります。設定画面からファームウェアのバージョンを確認し、必要に応じてアップデートを行うと安心です。
初心者が陥りやすいミスは、ちょっとした確認不足から起こることが多いため、接続前にポートの役割やケーブルの状態をしっかり確認することが、安定したネットワーク環境を整える第一歩になります。
ルーター設定で迷うWANとLANどっちが正解?
- WANはインターネット接続専用のポートである
- LANは家庭内機器をつなぐためのポートである
- ルーター背面のポート表示は色や表記で判別できる
- ONUやモデムは必ずWANポートに接続する
- パソコンやプリンターはLANポートに接続する
- WANとLANの役割を混同すると通信できなくなる
- ポートの数は機種によって異なるが役割は共通
- 接続ミスは設定画面に入れない原因にもなる
- WAN接続が確立しないとLAN機器も外部通信不可
- Wi-FiはLANの一部として機能し同じネットワークに属する
- 有線接続は安定性とセキュリティに優れている
- 無線接続は自由度が高くスマート機器に適している
- LANポートが足りない場合はハブで増設できる
- ギガビット対応の確認で通信速度を最大限に活かせる
- 家庭内LANはIP帯を共有し機器同士が通信可能になる
- 初心者はWANとLANの接続先を必ず確認する必要がある